2012年01月10日

新人弁護士向け税金講座(その3)

確定申告が必要になる弁護士は以下のとおりです。

1 年末調整を受けた弁護士で例えば以下に該当する弁護士
 ex.1 個人受任した売上がある弁護士(事業所得)
 ex.2 原稿料収入がある弁護士(スポットなら雑所得になるでしょう)
 ex.3 株で儲けた弁護士(笑)(譲渡所得)
 ex.4 FXで儲けた弁護士(笑)(雑所得)
 ex.5 年末調整で控除不可の医療費控除や住宅借入金控除がある弁護士
2 軒下弁護士(事業所得)
3 即独弁護士(事業所得)

ここまでで、事業所得に該当し、確定申告の必要がある収入は、
・勤務弁護士の個人受任分
・ノキ弁の個人売上
・即独弁護士のすべての売上
であることが分かりました。

次に「事業所得」の計算方法は

総収入金額-必要経費=事業所得です。

会社の「収益-費用=利益」と同じです。
ここで重要なのは、給与所得のように所得を支給者が計算してくれる訳ではなく、自分で計算しなければならないことです。
また、給与所得と異なり、事業所得の発生が見込まれる場合には、税務署に開業届を提出しなければならないなど手続きが必要になります。
青色申告をする場合には、簿記や会計の最低限の知識が必要になります。

※青色申告とは
帳簿に基づき決算(会計期末で帳簿を締めて繰り越す作業、または財務諸表の作成手続きの総称)を正確にして事業所得の金額を正確に計算することと引換えに、青色申告特別控除などの特典を与える制度。申告書を青色にして区別していたことから、青色申告という。
私が会計事務所に勤め始めた頃は現実に青色の申告書でしたが、現在は青色ではなく、色での区別はなくなりました。
様々な特典が受けられるので、通常は開業届と一緒に提出する。

事業所得に係る弁護士業務を始めるにあたり、必要な税務上の手続き

1 個人事業の開業届出書

・提出期限 事業開始から1か月以内
・提出先 納税地(原則として住所地)の所轄税務署
※事務所所在地が上記税務署の所轄外の場合は当該事務所所在地の所轄税務署にも要提出。
・書式 これ
※表面だけ印刷して、必要事項を記入。
・提出部数 1部
※別に「控え」1部を作成(コピー)し、税務署受付で収受印を押してもらい、自分で保管しておく。
※「控え」は用紙の欄外に控印を押す、または「控」と手書きでもオーケー。

2 青色申告承認申請書

・提出期限 青色申告をしようとする年の3月15日まで(1月16日以後の提出は事業開始から2か月以内)
・提出先 納税地(原則として住所地)の所轄税務署
・書式 これ
※表面だけ印刷して、必要事項を記入。
※複式簿記により総勘定元帳を作成して特別控除65万円の適用を受けようとする人は「複式簿記」を。
※簡易な簿記(小遣い帳程度)により申告する人で特別控除10万円の適用を受けようとするものは「簡易簿記」を。
※備付帳簿名は複式簿記なら「現金出納帳」「総勘定元帳」「仕訳帳」程度でオーケー。簡易な簿記なら「現金出納帳」程度でオーケー。
・提出部数 1部(控えについては開業届と同じ)

申請書と言ったって、特に「あなたは承認されました」なんて通知はこない。
不承認通知がなければ承認されている。


事業所得が発生する予定の新人弁護士は、早速、税務署に提出してきましょう!

edo_yaroh at 13:38コメント(0)新人弁護士向け税金講座  

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