2012年01月07日

前回は弁護士業務に係る所得分類について説明しました。
今回からは「給与所得」と「事業所得」の計算方法の違いと税務上の手続について理解することを目標に、以下解説します。

まず、所得税計算の基本から

所得は10種類に分類されますが、最終的に各所得は合計されます。
本でよく「譲渡所得税」などと記載がありますが、そのような税目はなく、正確には「譲渡所得に係る所得税」または「譲渡所得により生じる所得税」です。

納税額が算出されるまでの計算は
1 合計所得金額から、医療費控除や配偶者控除などの「所得控除」をして課税所得金額を算出。
2 課税所得金額に「税率を適用」して税額を算出。
3 税額から配当控除や住宅借入金特別控除などの「税額控除」をして差引所得税額を算出。
4 差引所得税額から源泉徴収税額や予定納税額を差し引いて「納税額」を算出。

所得税計算の基本は、特に事業所得が発生する弁護士で自分で申告する人は覚えておいて損はないと思います。

これから説明する所得の計算方法は、上記の1の合計所得金額を算出する前提となる各所得金額の算出方法の話しです。

まずは「給与所得」の計算方法から

これは単純です(必要最小限に大雑把に記述します)。

支払金額-給与所得控除額(法定の一定額)=給与所得

給与所得の計算方法は、支給者が源泉徴収票を発行してくれるので(上記の金額が全て記載されている)、余り意識しなくてよいでしょう。
ここで重要なのは、事業所得と異なり、必要経費が控除できないという点です。
※一部、特定支出控除という例外がありますが、ここでは割愛します。
給与所得しかない弁護士が、コツコツと飲み屋で領収書を集めても意味はありません(笑)

給与所得は、毎月、支払者により所得税が源泉徴収されます。
源泉徴収とは要するに所得税の仮払いです。
支払者は支払の際に源泉徴収税額を天引きして、原則翌月10日までに税務署に納付しています。
これによって国は毎月一定の歳入(税金)を得ることができるという仕組みです。

フルタイム勤務をしている場合には、通常は支払者によって年末調整がされます。
年末調整とは当該支給者から支給された給料に係る給与所得について一年間の総決算をする手続です。
前述のように毎月源泉徴収されている訳ですが、それはあくまで仮納付なので、扶養家族の異動や保険料控除などを加味して所得税額を算出するのです。
そして、算出税額が1月から11月まで源泉徴収された税額の合計よりも少なければ差額を「還付」、多ければ差額を「徴収」」となるのです。
このように年末調整は給与所得の総決算のようなものですから、所得が給与所得だけで、かつ、勤務先が1ヶ所だけで、かつ、医療費控除など年末調整では控除できない所得控除や税額控除がなければ、年末調整により所得税の課税関係は終了します(確定申告の必要なし)。
直接に税務署と接触することはありません(何の手続もいりません)。

給与所得についての解説は以上です。

次回は確定申告が必要になる弁護士(事業所得の計算と手続き)について解説したいと思います。

edo_yaroh at 13:37コメント(0)新人弁護士向け税金講座 

2012年01月06日

弁護士になっても知っているようで知らない税金の話しを少々。
和光でも同期の修習生から質問をよく受けました。
皆さん興味があるようなので、弁護士業を始めるにあたり、とりあえず最低限必要な知識を以下に簡単にまとめておきます。
なお、堅苦しい論文でも何でもないので、出典や判例年月日等は省略します。
興味がある人は自分で調べてね。

まず、弁護士法人ではない個人の弁護士に関係する税目は「所得税」です(「消費税」も関係しますがその話しは余力があれば後ほど)。
所得税法はその発生原因に応じて「所得」を10種類に分類しています。
この中で弁護士業務に関係する所得は「給与所得」と「事業所得」です。

給与所得とは、
雇用関係ないしこれに類する原因に基づき、使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受け取る給付
をいいます。
ここでは、雇用契約に基づく給付(=給料)と大雑把に捉えてもよいでしょう。

事業所得とは、
自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ、反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生じる所得
をいいます。

上記から、

勤務弁護士(雇用契約に基づき弁護士法人や法律事務所に労務を提供する弁護士、イソ弁の多くはこの形態でしょう)の場合
→給料は「給与所得」に該当します。

個人受任が認められている場合や独立採算のノキ弁の場合
→弁護士個人に帰属する売上から発生した所得は「事業所得」に該当します。

即独弁護士の場合
→弁護士法人でない限り、弁護士業務から発生した所得はすべて「事業所得」です。

ここまでで、これから得ることになる収入が「給与所得」なのか「事業所得」なのかは、理解できたと思います。
どちらか一方しか発生しないのではなく、勤務弁護士で個人受任が認められている場合(売上は個人に帰属)には、両所得が併存します。

次回は、「給与所得」と「事業所得」との違いを、主に所得の計算方法や課税上の手続の点から解説したいと思います。
出し惜しみしている訳ではなく、ただ単に眠たくなったのです(笑)


あ、申し遅れましたが、気まぐれ超不定期更新の本ブログを今年も宜しくお願い致します

edo_yaroh at 00:37コメント(2)新人弁護士向け税金講座 

2011年12月15日

昨日、最後の国家試験である司法修習生考試(通称「二回試験」)の不合格発表があり、私の受験番号は掲示されていませんでした(まぁ、要するに大丈夫だったということです)

夕方、和光の司法研修所まで発表を見に行ったところ、知人の顔もちらほらと見えましたが、万が一私が不合格だった場合にバツが悪いので声を掛けずに、一目散に掲示板を確認して、ソッコーで帰ってきました。

落ち着いたら、司法修習の感想等も書ければと思います。

11年前の25歳の時に一念発起してからの長かった道程も一応の区切りでしょうか。
しかし、ほっとするのもつかの間。休んでばかりもいられません。
司法修習生の身分を失い、今日から自宅警備員として忙しい毎日です(笑)

3週間ぶりの和光市内の木々はすっかり冬バージョンでした。

携帯 001


edo_yaroh at 00:31コメント(8)ひとりごと 

2011年12月01日

久々の投稿です。

先週金曜日に司法研修所の最後の国家試験「司法修習生考試」(いわゆる2回試験)が終わりました。
埼玉県和光市まで片道1時間半弱の通勤(通学?)はキツかったです。
感想等は追々にして、とりあえず通所生には涙ものの(笑)写真をアップしておきます。

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edo_yaroh at 10:44コメント(2)ひとりごと 

2011年09月19日

今日は愛媛の秋の風物詩「いもたき」の予定が雨で中止となったので、エミフル松前で「探偵はBARにいる」を観てから買物をして、その後、湊町の「かつれつ亭」へ。

二番町その他にも「かつれつ亭」はありますが、この湊町店は系列に属さない、インディペンデンスらしいです。

今日一日同行してくれた人がパチリ。
黒い江戸野郎、久々の登場です(笑)
写真を見る度にオッサン化が進行してるのが分かる。。(笑)

P1020435

まずは生ビール。
シャレオツなツマミが付いてきます。

P1020436

ひとくちかつ定食(1,350円也)。
衣がサクサクでお肉が柔らかくてとても美味。
ボリュームもたっぷり。

P1020437


P1020438

定食に付いてくる味噌汁も美味!
ゆずが入っており、お正月のお雑煮を思い出す。

P1020439

お腹一杯になりました

edo_yaroh at 23:59コメント(2)江戸野郎の酒場放浪記 
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